「28日に飾れば間違いない」とよく言われます。けれど2026年の12月28日は月曜日で、六曜でいえば赤口にあたります。
末広がりの8が付く28日がよいという話も、29日と31日を避ける話も、どちらも暮らしの中で受け継がれてきた言い伝えです。神社本庁が示しているのは「12月13日の煤払いからが正月準備」という考え方で、何日に飾れという決まりではありません。
それでも、言い伝えを気にする家族がいれば無視はしにくいもの。2026年の暦に当てはめて、飾り始めに向く日と避けたい日を先に並べておきます。
2026年12月、飾ってよい日・避けたい日
| 日付(2026年) | 六曜 | 言われていること・暮らしの事情 |
|---|---|---|
| 12月13日(日) | 先負 | 煤払い・正月事始め。ここから準備に入ってよい |
| 12月22日(火) | 赤口 | 冬至。準備の折り返し |
| 12月26日(土) | 仏滅 | 土曜。大掃除のあと飾りやすい |
| 12月27日(日) | 大安 | 日曜。大安で、言い伝え上の問題もない |
| 12月28日(月) | 赤口 | 末広がりの8で好まれる。2026年は平日(月曜) |
| 12月29日(火) | 先勝 | 「九(く)」が苦に通じるとして避ける家が多い |
| 12月30日(水) | 友引 | 29日を避けた場合の最後の候補 |
| 12月31日(木) | 先負 | 大晦日。「一夜飾り」として避けられる |
出典: 神社本庁『煤払い』、生駒市『しめ縄づくりに挑戦しよう!!』(2016年)、国立天文台『令和8年(2026)暦要項』(大雪・冬至・朔)。六曜は国立天文台の朔と冬至の日付から旧暦を組み立て、編集部が算出
表にない日も含めると、2026年12月の13日以降で大安にあたるのは15日(火)・21日(月)・27日(日)の3日です。表を見ると、2026年は26日(土)と27日(日)が飾りやすい2日間になります。とくに27日は大安で、28日の言い伝えとも29日・31日の言い伝えともぶつかりません。
編集部の考えを書いておくと、私たちは六曜より「家族がそろう日」を優先してよいと考えています。六曜は日の吉凶を占う暦注のひとつで、神社の祭りの作法とは別の物差しだからです。ただ、年配の家族と同居しているなら27日にしておけば誰からも何も言われない。それも実際的な選び方でしょう。
2026年の目安:飾り始めは12月13日(日)以降。迷ったら12月27日(日・大安)。避けたいのは12月29日(火)と12月31日(木)。28日(月)は平日なので、仕事がある家は前日までに済ませると慌てずに済みます。

「13日から」の根拠は、煤払いにある
神社本庁の解説によると、煤払い(すすはらい)は1年に1度、屋内外を掃除する行事で、いまも全国的に12月13日に行われることが多いといいます。地域によっては「正月迎え」「ことはじめ」「まつならし」とも呼ばれてきました。
名前が示すとおり、煤払いはただの掃除ではありません。年神さまを迎えるための、お正月準備のはじまりと位置づけられています。この日に正月飾りの松を山から切り出す行事をする地域もある、と同じ解説は紹介しています。
出典: 神社本庁『煤払い』(2026年10月参照)
つまり「門松やしめ縄は13日以降」という目安は、準備の始まりより前に飾るのは順番が逆、という考え方から来ていると読めます。掃除をして清めた場所に、新しい飾りを付ける。この順番さえ守れば、13日を過ぎた日ならいつでも構いません。
掃除の道具についても、神社本庁は一つの注意を添えています。昔は刈ってきた笹竹の先に葉や藁を付けて煤を払い、その笹竹を「清め竹」と呼んで、小正月の左義長でお焚きあげする地域もあったそうです。笹竹が手に入らなければ新品の掃除道具をあてればよいとしつつ、用品店の道具にはプラスチックや金属、塩ビが使われていることが多く、お焚きあげはできないと書いています。出典: 神社本庁『煤払い』
煤払いの晩に煤払いもちや団子を食べる風習もあるといいます。大掃除が年末ぎりぎりになりがちな家でも、13日に神棚だけは掃除しておく。神社本庁もそうした形をすすめています。
家庭での手順も神社本庁は示しています。最初に神棚、それから台所、各部屋の順に掃除をするというものです。神棚のある家は、しめ縄を張り替える前にお神札の交換もまとめて考えておくと二度手間になりません(神棚のお札の順番と交換の時期)。
2026年は13日が日曜日
暦の巡りでいえば、2026年の12月13日は日曜日です。平日に重なる年は「13日に煤払い」と言われても動けませんが、今年は家族で神棚や玄関まわりを片付けるのにちょうどよい日になります。この日に掃除と買い出しを済ませ、飾りは週末の27日に付ける。2週間の余裕を持てる段取りです。
二十四節気でいうと、2026年は12月7日が大雪、12月22日が冬至です。煤払いの13日はちょうどその間にあり、冬至を過ぎると年末まで10日を切ります。飾りを店で選ぶなら、品ぞろえの多い冬至の前に済ませておくと選択肢が広がる、というのが編集部の考える目安です。出典: 国立天文台『令和8年(2026)暦要項』
仕事の都合で13日に何もできなくても、気に病むことはありません。13日はあくまで「準備に入ってよい日」で、その日に掃除を終えなければならない日ではないからです。
年神さまとは何か、にも触れておきます。
神社本庁の用語解説では、年神(歳徳神)は「正月に訪れるとされる神さまで、新しい年に豊かな実りをもたらすとされる」と説明されています。昔の家では、年神さまやお盆さま(祖先の霊)のために臨時の棚を設けておまつりしたそうです。出典: 神社本庁『家庭のおまつり』
29日と31日、なぜ嫌われるのか
29日は「二重苦」「苦待つ」と読めることから避けられてきました。音の連想による縁起かつぎです。31日は大晦日で、その晩だけ飾って元日を迎えることになるため「一夜飾り」と呼ばれ、年神さまを迎える支度として慌ただしすぎる、と嫌われます。
どちらも神社が定めた禁忌ではありません。
神社本庁の解説にも、生駒市の子ども向け資料にも、29日や31日を名指しして禁じる記述はありませんでした。生駒市の資料は「年明け前の28日までには飾るようにしましょう」と書き、関西では1月15日に外す地域が多いこと、地域によって違うので家の人に聞いてみることをすすめています。出典: 生駒市『しめ縄づくりに挑戦しよう!!』(2016年)
31日に飾ってしまったら、外すべき?
外さなくてかまわない、というのが編集部の見方です。言い伝えが気にしているのは「準備が慌ただしいこと」であって、飾り自体が悪いわけではありません。飾らずに年を越すより、遅れても飾って新年を迎えるほうが、年神さまを迎えるという本来の意味には沿っています。
気になるなら、31日のうちに年越の大祓と茅の輪くぐりに参列して身を清めてから飾る、除夜の鐘の前に家の中を整えておく、といった形で区切りを付ける方法もあります。除夜の鐘の由来は除夜の鐘はなぜ108回?で書きました。
29日しか空いていない場合も同じ考え方でよいでしょう。どうしても抵抗があれば、29日に掃除だけを済ませ、30日の朝に飾る。たいていの家はこれで収まります。
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お寺用・神社用の使い分けや選び方は本文で解説しています。
門松としめ縄は、両方そろえるもの?
両方そろえなくても問題はありません。役割が少しずつ違うので、住まいに合わせて選べば十分です。
| 飾り | 置く場所 | 一般に説明される役割 | 住まい別の目安 |
|---|---|---|---|
| 門松 | 門・玄関の左右に一対 | 年神さまが訪れる目印 | 一戸建て向き。小型の置き門松もある |
| しめ縄 | 神棚・玄関の上 | 清らかな場所と外を区切り、悪いものを寄せ付けない | 神棚のある家は神棚に |
| しめ飾り | 玄関ドアの上・正面 | しめ縄に橙・裏白・紙垂などを付けた飾り | 集合住宅の玄関にも付けやすい |
| 輪飾り | 台所・水回り・勝手口 | しめ飾りを小さく輪にしたもの | 飾る場所が少ない家の最小限の形 |
出典: 生駒市『しめ縄づくりに挑戦しよう!!』(しめ縄の意味・飾り物の意味)。門松と輪飾りの役割は各地で一般に説明されている内容で、公的な定義があるわけではない
しめ飾りに付いている飾り物にも意味があります。生駒市の資料によると、橙(だいだい)は熟しても木から落ちないことから「代々繁栄」、裏白は葉の裏が白いことから「表裏のない清い心で年を過ごす」、紙垂(しで)は稲穂が垂れ下がった形と稲の力強さを表しているそうです。
出典: 生駒市『しめ縄づくりに挑戦しよう!!』(2016年)
マンションやアパートでは、門松を共用廊下に置くと避難の妨げになることがあります。管理規約で共用部分への私物の設置を禁じている建物も珍しくありません。玄関ドアには小ぶりのしめ飾りを、室内の台所には輪飾りを、という組み合わせが現実的です。
神棚のしめ縄は、毎年新しくする家が多い飾りです。神棚の前に張るしめ縄は、玄関のしめ飾りと同じ日に替えてかまいません。
クリスマスの飾りから付け替えるとき
玄関にリースを掛けている家は、25日の夜か26日に外してから、しめ飾りに付け替えると重なりません。リースを外した跡のほこりを拭いておくだけでも、煤払いの代わりの小さな区切りになります。
リースとしめ飾りを数日だけ並べて掛ける家もありますが、編集部はおすすめしません。どちらも玄関の「顔」になる飾りで、並べると互いの意味が薄れてしまうからです。
「門松 しめ縄 両方」で迷ったときの順番
- 神棚があるなら、神棚のしめ縄を最優先で新しくする
- 次に玄関のしめ飾り(集合住宅ならこれだけでもよい)
- 一戸建てで門口に余裕があれば門松を加える
編集部としては、飾りの数を増やすより、ひとつを丁寧に飾ることをすすめています。ほこりをかぶった去年の飾りを使い回すより、小さくても新しい輪飾りひとつのほうが、気持ちよく新年を迎えられます。
暮らし方別、2026年の飾り方の一例
ここからは編集部が想定した家族像に、ここまでの暦と言い伝えを当てはめた一例です。実在の家庭の話ではありません。
| 想定する暮らし | 飾り始め | 飾るもの | 外す日の目安 |
|---|---|---|---|
| 一戸建て・共働き・子ども2人(関東) | 12月26日(土)に大掃除、27日(日)に飾る | 門松(小型の置き型)・玄関のしめ飾り・台所の輪飾り | 1月7日(木)が地域の習わしならその日 |
| マンション・単身(関西) | 12月27日(日) | 玄関ドアのしめ飾りのみ | 1月15日(金)。近くの神社のとんどに納める |
| 神棚のある実家・親と同居 | 12月13日(日)に神棚の煤払い、27日(日)に飾る | 神棚のしめ縄・玄関のしめ飾り・門松 | 氏神さまのどんど焼きの日に合わせる |
| 年末まで仕事・帰省する | 12月30日(水) | 玄関のしめ飾り(帰省先に門松があれば十分) | 帰宅後、松の内のうちに外す |
一戸建てで共働きの家は、土曜に掃除、日曜に飾ると無理がありません。2026年はちょうどその日曜が大安です。マンションの単身なら、しめ飾りひとつで構わないでしょう。
帰省する家は少し悩むところです。留守のあいだ飾りを付けておくかどうかは、意見が分かれます。私たちは、30日に飾って出かけてよいと考えています。年神さまを迎える目印は、家に人がいるかどうかで意味が変わるものではないからです。
外す日の目安は地域によって違います。1月7日に外す地域、関西のように1月15日に外す地域があり、迷ったら地元の神社のどんど焼きの日に合わせるのが確実です。詳しくは正月飾りはいつまで?外す日と処分方法で書きました。
伊勢では、しめ縄を一年中掛けておく
飾る期間には、土地ごとの違いがあります。わかりやすい例が三重県の伊勢志摩地方です。
伊勢市立伊勢図書館の『図書館だより』によると、新年を迎えるための注連縄飾りは松の内が過ぎると外すのが一般的です。ところが伊勢志摩地方では、これを一年中掛けておく風習があります。木札に書かれた「蘇民将来子孫家門(そみんしょうらいしそんかもん)」の文字はこの地方独特のものだそうです。
その由来として紹介されているのが、蘇民将来の伝説です。伊勢の地を訪れた須佐之男命(すさのおのみこと)を、貧しいが慈悲深い蘇民将来が手厚くもてなし、一夜の宿を貸した。喜んだ須佐之男命は旅立つときに「蘇民将来子孫の門符を門口にかけておけば、子孫代々疫病から免れる」と言い残した、という話です。
出典: 伊勢市立伊勢図書館『図書館だより』「ふるさとの風 ~師走~」(2012年12月)
伊勢を訪ねると、民家の玄関にしめ縄が掛かっている光景を季節を問わず見かけます。参拝の際は伊勢神宮内宮のページや三重県の神社・お寺も参考にしてください。
松の内が明けると外す土地、1月15日の小正月まで掛けておく土地、一年中掛けておく土地。同じしめ縄でも、扱い方はこれだけ幅があります。
伊勢の例が教えてくれるのは、「いつから」「いつまで」の答えはひとつではないということ。引っ越した先で近所と飾り方が違っても、どちらかが間違いというわけではありません。
飾ってから片付けるまで、2026〜2027年の日程
- 12/13(日)煤払い・正月事始め神棚から順に掃除。ここから飾りの準備に入れる
- 12/22(火)冬至飾りをまだ買っていなければ、この頃までに用意すると安心
- 12/26〜28飾り始めの中心2026年は27日(日)が大安。28日は月曜
- 12/30(水)最後の候補日29日を避けた家はこの日に
- 1/1(金)元日初詣。古いお神札やお守りを納める準備も
- 1/7(木)松の内明け(地域による)この日に門松を外す地域がある
- 1/11(月・祝)成人の日2027年は祝日
- 1/15(金)小正月関西で外す地域が多い日。左義長・とんどでお焚き上げ
出典: 国立天文台『令和8年(2026)暦要項』(冬至)、国立天文台『令和9年(2027)暦要項』(成人の日)、生駒市『しめ縄づくりに挑戦しよう!!』(関西は1月15日)、神社本庁『お神札』(左義長・どんど焼)。曜日と六曜は編集部算出
外した飾りの行き先は、神社のお焚き上げが基本です。神社本庁によると、多くの神社では大晦日から1月15日(小正月)までの間に「左義長」や「どんど焼」が行われ、正月飾りと一緒に古いお神札やお守りがお焚き上げされます。出典: 神社本庁『お神札』
大阪の住吉大社(大阪市住吉区)では、例年1月15日9時から古札焼納式(とんど)が行われ、古い御札やお守り、正月のしめ縄や飾り物を斎火で焼き納めます。この火の煙を浴びると無病息災になると伝えられています。出典: 住吉大社『1月の行事』(2026年10月参照)
いつ外すか、ごみとして出すならどう分けるかは正月飾りはいつまで?外す日と処分方法にまとめました。お守りを一緒に納めたい人はお守りの返納方法も合わせてどうぞ。
迷いやすいところ、短く答えます
- Q12月に入ってすぐ、1日や2日に飾ってもいいですか?
- A
神社本庁は12月13日の煤払いをお正月準備のはじまりとしています。それより前に飾ると、掃除の前に飾りを付ける順番になってしまうため、13日以降にするのが無難です。クリスマスの飾りと入れ替える家は、26日以降に付け替えると混ざらずに済みます。
- Q喪中の年は、門松やしめ縄を飾らないほうがいいですか?
- A
喪中の年は正月飾りを控える家が多い一方、どこまで控えるかは宗教や家の考え方で違います。神社への参拝の考え方は喪中に初詣は行ける?で詳しく書いています。迷ったら、身内の年長者か氏神さまの神社に聞くのが確実です。
- Qしめ縄は神社で買うものですか?ホームセンターのものでもいいですか?
- A
どちらでも構いません。12月になると、しめ縄やしめ飾りを授与所で頒布する神社もあります。地元の神社で受けたものは、松の内が明けたあと同じ神社のどんど焼きに納めやすいのが利点です。ホームセンターのものは針金やプラスチックが使われていることがあり、お焚き上げの前に外す必要があります。
- Q去年の門松やしめ飾りを、もう一度使ってもいいですか?
- A
生花の松やわらの飾りは、1年たつと色があせて傷みます。新しい年を新しい飾りで迎えるという考え方からは、毎年新しくするのが自然です。造花やプラスチックの門松を繰り返し使う家もあり、その場合はほこりを払ってから飾れば十分でしょう。
- Q車や自転車に付ける小さなしめ飾りも、同じ日に付けますか?
- A
家の飾りと同じ考え方で、13日以降、29日と31日を避けた日に付ける人が多いようです。外す日も家の飾りに合わせると、納め忘れがありません。
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お寺用・神社用の使い分けや選び方は本文で解説しています。
年末年始の行事をまとめて確認したい人は神社・お寺の年間行事カレンダーを、初詣の時期と作法は初詣の時期と参拝作法をどうぞ。東京の明治神宮や大阪の住吉大社(大阪市住吉区)のように、年始に大勢が訪れる神社の情報は東京都の神社・お寺・大阪府の神社・お寺のページから探せます。
参考・出典
- 神社本庁『煤払い』(煤払いは12月13日に行われることが多い・お正月準備のはじまり)
- 神社本庁『家庭のおまつり』(年神・歳徳神の用語解説)
- 神社本庁『お神札』(大晦日から1月15日までの左義長・どんど焼)
- 住吉大社『1月の行事』(古札焼納式・とんど 1月15日9時)
- 生駒市『しめ縄づくりに挑戦しよう!!』(2016年。28日までに飾る・関西は1月15日・飾り物の意味)
- 伊勢市立伊勢図書館『図書館だより』「ふるさとの風 ~師走~」(2012年12月。伊勢志摩の一年中のしめ縄・蘇民将来)
- 国立天文台『令和8年(2026)暦要項』二十四節気および雑節・朔弦望
- 国立天文台『令和9年(2027)暦要項』国民の祝日
参照日: 2026年10月22日
