「お寺に葬儀をお願いしたら、いくら包めばいいの?」「葬儀社の見積もりにお布施が入っていないけれど、総額はいくらになる?」「戒名料や御車代は別に渡すもの?」――身内が亡くなり、急に喪主を務めることになった方が最も戸惑うのが、お寺に渡すお金です。
実際、鎌倉新書の【第7回】お葬式に関する全国調査(2026年)では、喪主経験者が葬儀で困ったことの第1位が「お布施の相場・マナーがわからない」(346件)でした。2位の「葬儀の知識やマナーがわからない」(259件)を大きく上回っています。
結論からお伝えすると、お寺に払う葬儀費用(お布施)は、葬儀社の見積もり・葬儀費用の総額とは別枠で用意するお金です。そして仏教界の公式な立場では、お布施は読経や戒名の「料金」ではなく、決まった価格はありません。だからこそ、金額に迷ったら菩提寺に直接「皆さまはどのくらいお包みされていますか」と尋ねてよいのです。
この記事では、葬儀社の宣伝ではなく、全日本仏教会の表明・宗派寺院の公式情報・国税庁・全国調査といった一次情報をもとに、お寺に払う葬儀費用の内訳(読経・戒名・御車代・御膳料)、お寺が金額をはっきり言わない理由、宗派による違い、お布施の封筒の書き方と渡し方、お寺で葬儀をするときの供花・参列のマナー、相続税との関係までを整理します。
この記事のポイント:①葬儀社の見積もり(2026年調査の平均総額96.73万円)にはお布施は含まれない ②全日本仏教会は2000年に「戒名(法名)料という表現は用いない」と表明。寺院が受ける金品は全てお布施 ③浄土真宗は「戒名」ではなく「法名」。本山の帰敬式では成人12,000円の冥加金で授かれる ④葬儀のお布施は相続税の葬式費用として控除できるが、初七日など法事の分は控除できない
お布施とは?お寺に払う葬儀費用の意味と「料金」との違い
お布施(ふせ)は、もともと仏教の修行である「六波羅蜜」の一つ「布施」に由来する言葉です。布施には、金品を施す財施(ざいせ)、仏の教えを説く法施(ほうせ)、人の不安や恐れを取り除く無畏施(むいせ)があり、遺族が僧侶に渡すお金は財施にあたります。つまりお布施は、僧侶への報酬ではなく、ご本尊に捧げ、お寺と仏法を支えるための施しという位置づけです。
この考え方は、日本の伝統仏教の宗派が加盟する全日本仏教会の表明にも表れています。日蓮宗 現代宗教研究所の論考によると、全日本仏教会は平成12年(2000年)1月に、「今後、『戒名(法名)料』という表現・呼称は用いない。仏教本来の考え方からすれば、僧侶・寺院が受ける金品は、全てお布施(財施)である。従って、戒名(法名)は売買の対象ではない」という趣旨を表明しました。同論考は、布施の額は「あらかじめ決められない」性質のものだとしています。
「お布施」と「葬儀費用」の違い
葬儀社に支払う費用(祭壇・棺・搬送・会場・スタッフ・飲食・返礼品など)は、サービスへの対価で見積書と請求書があります。一方、お寺に渡すお布施は、宗教行為への施しなので、見積書も請求書も原則ありません。この2つを混同すると、「見積もりより総額がずっと高くなった」という事態になります。
| 項目 | 葬儀社への支払い | お寺へのお布施 |
|---|---|---|
| 性質 | サービスの対価(契約) | 宗教行為への施し(財施) |
| 金額の決まり方 | プラン・見積書で事前に決まる | 決まった価格はない。菩提寺に尋ねて決める |
| 書類 | 見積書・請求書・領収書 | 原則なし(寺院によっては受領書を出す) |
| 支払い方 | 振込・カードなどが選べることが多い | 封筒に包んで手渡し(お盆・袱紗にのせる) |
| 主な中身 | 祭壇・棺・搬送・会場・飲食・返礼品など | 読経・戒名(法名)・御車代・御膳料など |
葬儀費用の総額とお布施の関係|2026年調査でみる葬儀社費用
まず、葬儀社に支払う費用がどのくらいかを確認しておきましょう。鎌倉新書の2026年調査(直近2年以内に喪主を経験した40歳以上の男女2,000人、2026年2〜3月にインターネット調査)では、葬儀費用の総額の平均は96.73万円で、内訳は「基本料金」72.02万円、「飲食費」11.67万円、「返礼品費」13.03万円でした。
ここで注意したいのは、この総額はお布施を含まないことです(内訳は基本料金・飲食費・返礼品費の3つ)。お寺に葬儀をお願いする場合は、この金額とは別に、お布施・御車代・御膳料などを現金で用意する必要があります。
| 葬儀の形式 | 実施した割合 | 葬儀費用の平均(お布施は含まない) |
|---|---|---|
| 家族葬 | 47.0% | 96.39万円 |
| 一般葬 | 30.2% | 122.01万円 |
| 一日葬 | 11.9% | 74.43万円 |
| 直葬・火葬式 | 10.8% | 49.56万円 |


家族葬が5割近くを占め、参列者の数は小さくなっています。ただし、参列者が少ない家族葬や一日葬でも、僧侶に読経と戒名をお願いする限り、お寺へのお布施が小さくなるとは限りません。お布施は参列者の数ではなく、お寺との関係や、お願いする内容(通夜・葬儀の読経、戒名、初七日の繰り上げなど)で考えるものだからです。直葬・火葬式でも、火葬炉の前での読経(炉前読経)だけをお願いすることもできます。
お寺に払う葬儀費用の内訳|読経・戒名・御車代・御膳料
お寺に渡すお金は、名目ごとに分けて考えると整理しやすくなります。ただし、どこまでを1つの封筒にまとめるかは寺院・地域によって違います。「お布施(読経と戒名を含む)」「御車代」「御膳料」の3つに分けて包む形がよく見られます。
| 名目 | 何に対するものか | 包み方の目安 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 御布施(読経) | 通夜・葬儀・告別式の読経、引導など | 「御布施」と書いた封筒 | 僧侶が複数人来る場合の扱いは事前に確認 |
| 戒名(法名・法号) | 故人に授ける仏弟子としての名前 | お布施にまとめることが多い | 全日本仏教会は「戒名料」という呼称を用いないと表明。院号など位号の有無で考え方が変わる寺院も |
| 御車代 | 僧侶の交通費 | 「御車代」と書いた別の封筒 | 葬儀社が送迎する場合や寺院で葬儀をする場合は不要なことも |
| 御膳料 | 通夜ぶるまい・精進落としの会食を辞退された場合 | 「御膳料」と書いた別の封筒 | 僧侶が会食に同席する場合は不要 |
| 初七日のお布施 | 葬儀当日に繰り上げて営む初七日法要の読経 | 葬儀のお布施にまとめるか別包み | 繰り上げ初七日をするかを事前に相談 |
| 寺院の式場使用料 | お寺の本堂・会館を葬儀会場として使う場合 | お布施とは別に請求されることがある | 寺院によって扱いが違うため、依頼時に確認 |
戒名(法名)の費用はどう考える?
戒名は、故人が仏弟子になったことを示す名前です。一般に「信士・信女」「居士・大姉」、さらに「院号」といった位号がつき、位号によってお布施の額が変わると説明されることがあります。しかし先述のとおり、全日本仏教会は戒名は売買の対象ではないと表明しています。
浄土真宗では、そもそも「戒名」ではなく「法名(ほうみょう)」と呼びます。浄土真宗本願寺派の正宣寺(西本願寺派)の案内によると、法名は「仏法に帰依し、お釈迦さまの弟子となった者の名前」で、法名に「信士・信女・居士・大姉」などの位号はつきません。本山で帰敬式(ききょうしき)を受けると「釋○○」という法名をいただけ、帰敬式の冥加金は成人12,000円・未成年6,000円です。同寺は「法名にかかる費用はいただいておりません」と明記しており、院号については「一般寺院・僧侶が院号を交付することはできません」としています。
このように、戒名(法名)にかかるお金は宗派や寺院によって考え方が大きく違います。「戒名料○万円」といった一律の数字をうのみにせず、菩提寺の考え方を確認しましょう。生前に帰敬式や授戒会で戒名(法名)を受けておくこともできます。
お墓・葬儀の費用と選び方をまとめて確認
樹木葬・永代供養・納骨堂の違いと相場を一つの記事にまとめています。
お寺が「お気持ちで」と言う理由|寺院側の事情
お布施の金額を尋ねると、「お気持ちで結構です」と返されることがよくあります。遺族にとっては困る答えですが、これには寺院側の事情があります。
- 布施は対価ではない:金額を示すと「読経や戒名の値段」になってしまい、布施の意味が失われる。全日本仏教会が「戒名料」という呼称をやめたのもこのため
- お寺はお布施で維持されている:本堂や墓地の維持、法要の準備、住職の生活は、檀家からのお布施や護持会費で支えられている。葬儀のお布施も、その一部になる
- 家ごとの事情が違う:長年の付き合いがある檀家と、初めて依頼する家とでは、お寺との関係が違う。経済的に苦しい家に一律の額を求めない配慮もある
一方で、日蓮宗 現代宗教研究所の論考も、寺院が説明を尽くして信頼を築く必要があると指摘しています。遺族側も遠慮しすぎず、次のように尋ねれば失礼にはなりません。
尋ね方の例:「不慣れで申し訳ありません。皆さまはどのくらいお包みされているのでしょうか。目安を教えていただけると助かります」。それでも「お気持ちで」と言われた場合は、同じお寺の檀家の親族や、そのお寺の葬儀を多く担当している地元の葬儀社に尋ねると、実際の目安がわかることが多いです。
菩提寺がある場合に気をつけたいこと
先祖のお墓があるお寺(菩提寺)がある場合は、亡くなったらまず菩提寺に連絡し、葬儀の日程と読経をお願いするのが基本です。菩提寺に相談せずに、別の僧侶を手配したり、宗教儀式を行わない直葬にしたりすると、戒名の付け直しを求められたり、菩提寺のお墓への納骨で話がこじれたりすることがあります。遠方で来てもらえない場合も、菩提寺に相談して近くの同じ宗派のお寺を紹介してもらうのが無難です。
菩提寺がなく、今後のお墓も決まっていない場合は、葬儀と合わせて納骨先を考える必要があります。永代供養や樹木葬など、承継者のいらない選択肢はお墓・埋葬の種類と費用相場の完全ガイドで比較しています。地域の例は千葉県で永代供養ができるお寺と費用、山形県で永代供養・合祀墓のあるお寺一覧、千葉県の樹木葬の費用と選び方も参考にしてください。
宗派による違い|戒名・法名とお布施の考え方
お布施の考え方の根本は各宗派で共通ですが、戒名の呼び方や葬儀の内容には違いがあります。金額よりも、「何をお願いするのか」を確認するときの参考にしてください。
| 宗派 | 故人の名前の呼び方 | 葬儀・戒名の特徴 |
|---|---|---|
| 浄土真宗(本願寺派・大谷派など) | 法名(「釋○○」) | 位号(信士・居士など)はつかない。本願寺派では院号は一般寺院で交付できない(正宣寺の案内) |
| 浄土宗 | 戒名(誉号がつくことがある) | 念仏を中心にした葬儀 |
| 曹洞宗・臨済宗(禅宗) | 戒名 | 授戒(仏弟子になる儀式)と引導が葬儀の中心 |
| 真言宗・天台宗 | 戒名 | 密教の作法による葬儀 |
| 日蓮宗 | 法号(戒名) | 題目(南無妙法蓮華経)を中心にした葬儀 |
宗派の本山や大寺院を訪ねると、その宗派の考え方に触れることができます。浄土真宗本願寺派の築地本願寺(本願寺築地別院)、浄土宗の大本山増上寺、曹洞宗の大本山永平寺などがあります。東京の寺院は東京都の神社・お寺一覧、福井の寺院は福井県の神社・お寺一覧から探せます。
お布施の封筒の選び方と書き方
お布施は不祝儀ではなく、お寺への施しです。そのため、香典のように「不幸があった」ことを表す包み方にはしない、というのが基本の考え方です(地域の慣習が優先されることもあります)。
| 項目 | 一般的なマナー | よくある迷い |
|---|---|---|
| 封筒 | 奉書紙で包むか、白無地の封筒(郵便番号欄のないもの) | 水引は基本不要。地域によって白黒・双銀の水引を使うことも |
| 表書き | 上段に「御布施」または「お布施」 | 御車代・御膳料は別の封筒に、それぞれ表書きする |
| 名前 | 下段に「○○家」または喪主のフルネーム | 連名にする場合は喪主の名前を中央に |
| 墨の濃さ | 濃い墨(通常の筆ペン)でよいとされる | 香典は薄墨だが、お布施はお寺への感謝なので濃墨が一般的 |
| 金額の書き方 | 中袋や裏面に「金○萬圓」と旧字体の漢数字で | 封筒の裏に住所と金額を書くとお寺の記録に役立つ |
| お札 | 肖像画が表・上になるように揃えて入れる | 新札でなくてもよいとされるが、きれいなお札を選ぶ |
金額を漢数字で書くときは、壱(一)・弐(二)・参(三)・伍(五)・拾(十)・萬(万)・圓(円)を使います。たとえば「金参萬圓」「金拾萬圓」のように書きます。
お布施の渡し方とタイミング
お布施は、封筒を直接手渡しするのではなく、小さなお盆(切手盆)にのせるか、袱紗(ふくさ)の上にのせて、僧侶から見て文字が正面になる向きで差し出します。

- 渡すタイミング:通夜の開式前のあいさつのとき、または葬儀・告別式が終わってお礼を述べるときが一般的。後日、お寺にあいさつに伺って渡す地域もある
- 添える言葉:「本日は心のこもったお勤めをいただき、ありがとうございました。どうぞお納めください」など
- 御車代・御膳料:お布施と同じタイミングで、お布施の封筒の下に重ねて渡す
- 振込を希望する場合:お寺によっては振込を受け付けるところもある。当日現金が用意できない場合は、事前に相談しておく
お寺で葬儀をする場合|寺院葬の費用・供花・参列のマナー
葬儀会館ではなく、お寺の本堂や境内の会館で葬儀を行う「寺院葬」を選ぶ方もいます。菩提寺の本堂でご本尊の前で送れることや、檀家の場合は会場を使いやすいことが良さです。一方で、会場の広さや駐車場、控室の有無はお寺によって大きく違います。
寺院葬の費用で確認したいこと
- 本堂・会館の使用料が、お布施とは別に必要か(お布施に含むという寺院もある)
- 祭壇・棺・搬送・受付などは葬儀社に依頼するのか、お寺が指定する業者があるのか
- 檀家以外でも会場を使えるか、使えるなら条件は何か
- 駐車場・控室・会食の場所・冷暖房など、参列者が過ごしやすい設備があるか
お寺の葬儀に供花・花を贈るとき
お寺での葬儀に供花(きょうか)を贈るときは、必ず担当の葬儀社か喪家に確認してから手配しましょう。本堂の広さによって並べられる数に限りがあったり、祭壇の統一感のために葬儀社を通した注文に限っていたりする場合があります。「供花・供物は辞退します」と案内されている家族葬では、贈らないのがマナーです。
お寺の葬儀に参列するときの作法
- 山門(お寺の門)をくぐるときと、本堂に上がるときに軽く一礼する
- 数珠を持参する(宗派が違っても自分の数珠でよいとされる)
- 焼香の回数や作法は宗派で異なる。わからなければ前の人に合わせ、心を込めて一回でもよい
- 境内では大きな声で話さない。本堂では僧侶やご本尊の前を横切らない
境内での基本的な作法は、神社・お寺の参拝マナーと共通する部分も多くあります。四十九日やお盆・お彼岸など、葬儀後にお寺とかかわる時期は神社・お寺の年間行事カレンダーで確認できます。
お布施は相続税の控除対象になる?領収書がないときの記録
国税庁のタックスアンサー「No.4129 相続財産から控除できる葬式費用」では、相続財産から差し引ける葬式費用として「葬式に当たりお寺などに対して読経料などのお礼をした費用」を挙げています。つまり、葬儀のお布施・戒名のお礼などは控除の対象になります。
一方で、同じページでは「香典返しのためにかかった費用」「墓石や墓地の買入れのためにかかった費用」「初七日など法事のためにかかった費用」は葬式費用に含まれないとされています。葬儀当日に繰り上げて初七日を営んだ場合は、葬儀のお布施と初七日のお布施を分けて考える必要があるため、税理士や税務署に確認しましょう。
| 支出 | 相続税の葬式費用として控除 | 根拠 |
|---|---|---|
| 葬儀の読経などのお礼(お布施) | できる | 国税庁 No.4129「お寺などに対して読経料などのお礼をした費用」 |
| 通夜にかかった費用 | できる | 同「お通夜などにかかった費用」 |
| 火葬・埋葬・納骨の費用 | できる | 同「火葬や埋葬、納骨をするためにかかった費用」 |
| 香典返し | できない | 同「香典返しのためにかかった費用」 |
| 墓石・墓地の購入 | できない | 同「墓石や墓地の買入れのためにかかった費用」 |
| 初七日など法事 | できない | 同「初七日など法事のためにかかった費用」 |
お布施は領収書が出ないことも多いため、渡した日付・お寺の名前・金額・名目(御布施・御車代など)を手帳やメモに残しておくと、相続税の申告のときに困りません。お寺にお願いすれば受領書を出してもらえることもあります。
お寺への葬儀費用で失敗しないための5つの手順
- STEP1菩提寺の有無を確認お墓のあるお寺、過去の法事を頼んだお寺を親族に確認。わからなければ仏壇の位牌・過去帳の寺名を見る
- STEP2菩提寺にすぐ連絡葬儀社を決める前か同時に連絡し、日程と読経をお願いする。遠方なら近くの同宗派寺院の紹介を相談
- STEP3お願いする内容を決める通夜・葬儀の読経、戒名(法名)、繰り上げ初七日、僧侶の人数、送迎の有無を確認
- STEP4お布施の目安を尋ねる「皆さまはどのくらい」と尋ねる。お布施・御車代・御膳料をそれぞれ用意
- STEP5総額を把握して記録葬儀社の見積もり+お寺へのお布施で総額を把握。渡した日付・金額・名目をメモに残す
葬儀の後も、四十九日・納骨・一周忌と、お寺とのかかわりは続きます。葬儀の段階で、今後の法要やお墓(納骨先)のことも合わせて相談しておくと安心です。
お墓・葬儀の費用と選び方をまとめて確認
樹木葬・永代供養・納骨堂の違いと相場を一つの記事にまとめています。
よくある質問(FAQ)
- Qお寺に払う葬儀費用(お布施)は葬儀社の見積もりに入っていますか?
- A
一般的には入っていません。2026年の鎌倉新書の全国調査でも、葬儀費用の総額(平均96.73万円)の内訳は基本料金・飲食費・返礼品費で、お布施は別です。僧侶の手配を葬儀社に依頼するプランでは、お布施を定額で案内している場合もあるため、見積もりに含まれるかを確認しましょう。
- Qお布施の金額を聞くのは失礼ですか?
- A
失礼ではありません。お布施には決まった価格がないため、菩提寺に「皆さまはどのくらいお包みされていますか」と目安を尋ねるのが確実です。それでも「お気持ちで」と言われた場合は、同じお寺の檀家の親族や、地元の葬儀社に相談するとよいでしょう。
- Q戒名料はお布施とは別に払うのですか?
- A
全日本仏教会は2000年に「戒名(法名)料」という呼称は用いず、寺院が受ける金品は全てお布施だと表明しています。実際には、読経と戒名のお礼をまとめて「御布施」として1つの封筒に包むことが多く、御車代・御膳料は別の封筒にします。
- Q浄土真宗でも戒名料はかかりますか?
- A
浄土真宗では「戒名」ではなく「法名」と呼び、信士・居士などの位号はつきません。浄土真宗本願寺派では、本山で帰敬式を受けて法名を授かることができ、冥加金は成人12,000円・未成年6,000円です。法名にかかる費用を受け取らないと明記している寺院もあります。
- Q葬儀のお布施は相続税で控除できますか?
- A
できます。国税庁のタックスアンサーNo.4129で「葬式に当たりお寺などに対して読経料などのお礼をした費用」は控除できる葬式費用とされています。ただし、初七日など法事の費用や香典返し、墓石・墓地の購入費は控除できません。領収書がない場合は、日付・支払先・金額・名目をメモに残しておきましょう。
まとめ|お寺の葬儀費用は「別枠で用意」「金額は菩提寺に尋ねる」
- 葬儀社の見積もり(2026年調査の平均総額96.73万円)にはお布施は含まれない。お寺へのお金は別枠で現金を用意する
- お寺に渡すお金は「御布施(読経・戒名)」「御車代」「御膳料」に分けて考える。寺院で葬儀をするなら式場使用料も確認
- 全日本仏教会は「戒名料」という呼称を用いないと表明。お布施は対価ではなく、決まった価格はない
- 浄土真宗は「法名」。本願寺派は本山の帰敬式で成人12,000円の冥加金で授かれる
- 封筒は白無地、表書きは「御布施」、濃墨で。切手盆か袱紗にのせて、通夜前か葬儀後に渡す
- 葬儀のお布施は相続税の葬式費用として控除できる(初七日など法事は不可)。日付・金額を記録しておく
お布施の金額に正解はありませんが、「何をお願いするのか」を明確にし、菩提寺と率直に話すことで、不安はずっと小さくなります。お寺とのご縁は葬儀で終わりではなく、その後の法要やお墓参りへと続いていきます。
